上場:・専門知識
・法的分析力
・構成能力
・論述能力
以外に、司法試験法はどういう評価基準をあげていますか?
流相: まだあるんですか?
え~と、あっ!司法試験法3条4項に
司法試験においては、その受験者が裁判官、検察官又は弁護士となろうとする者に必要な学識及びその応用力を備えているかどうかを適確に評価するため、知識を有するかどうかの判定に偏することなく、法律に関する理論的かつ実践的な理解力、思考力、判断力等の判定に意を用いなければならない。
流相:と規定されています。
上場: そうです。つまり、
・知識偏重ではダメ
・法律の理論的な理解力、思考力、判断力等
・法律の実践的な理解力、思考力、判断力等
を司法試験では見ているということになります。
神渡: 複雑ですね。
よく分かりません。
阪奈: たしかに小難しい・・・
上場: でも、言っていることは簡単なことです。
実務家が日々どういう仕事をしているのか?それを考えれば司法試験に合格するために必要な能力は自ずから明らかになります。
あとは、その能力を備えるように勉強すればいいだけですから。
流相: ということは判例を勉強すれば良いということですか?
上場: 判例の分析が勉強の中心となることはもちろんですが、どういう風に判例が創られてきたのか?という判例創造の過程を追っかけていくことが必要ですね。
神渡: それは判例百選を勉強しただけでは足りないということでしょうか?
上場: そういうことです。
判例百選に載っている部分は、出来上がった判例です。
どういう事実に対して、弁護士や検察官がどういう法律構成をし、裁判所が彼らの構成にどう応答したのか?
こういったことをしっかりと分析していく必要があります。
流相: そうすると1審から見ていく必要がありますよね?
上場: それが望ましいです。
流相: そんな時間、僕たちにはない・・・
上場: 全部の判例でそういったことをする必要はないのです。
重要判例から分析をしていくのです。
流相: そうはいっても僕たちは学説の理解もしなければならないし、8科目も勉強しなければなりませんからなかなかそこまでは・・・
判例百選の判旨を覚えるくらいしかできていませんが・・・
上場: それは本末転倒ですよ。
司法試験は実務家登用試験ですから、実務家の仕事をしっかりと理解することが先決なのです。
判例百選でも意識して読めば十分に実務家の仕事の過程を読み取ることができます。
---次回へ続く---