払猿:自分の意見を述べよという部分で何を書けば良いかは、その時に検討することにして、今は、ひとまず、Aの代理人としての立場からの議論をしましょう。
神渡:私が検討したいと思います。
たしかに、第1回目のデモ行進よりも第2回目のデモ行進後に、売上げが減少したとの苦情が増えています。また、第2回目のデモ行進後に事故発生への不安や騒音被害を訴える苦情が出されています。
まず、第2回目のデモ行進時、デモ行進が行われた道路で交通渋滞が発生し、そのため幹線道路に近接した静閑な住宅街の道路を迂回路として使う車が増えたことが交通事故発生への不安の原因です。これは、適切に交通整理をすることで交通事故発生への不安を解消することができます。それにより騒音被害も緩和されます。
そうしますと、 明らかに差し迫った平穏な生活環境破壊の危険が客観的事実に照らして具体的に予見可能とは言えません。抽象的な危険の予見にとどまると思います。
また、売上げ減少の点についてですが、デモ行進の影響で飲食店の売上げが減少したのかどうか、因果関係ははっきりしません。県内最大の商業ゾーンであるからこそ、そこでのデモ行進は多くの人に訴えかける効果があるわけですから、商業活動への支障があるかという因果関係判断は科学的根拠に基づき慎重になすべきだと思います。
そうしますと、商業活動に支障を来す危険は未だ抽象的な危険の予見にとどまると思います。
Aの代理人としては、以上のことを主張して、B県公安委員会の法要件該当性判断が憲法21条の「集会・・・の自由」を制限し違憲であるというべきではないかと思います。
流相:(なるほどね。すごいなぁ、僕マズイぞ)
払猿:よく考えていますね。私も良いのではないかと思いますよ。
そうすると、次はB県側の反論について検討しましょうか?