---ロースクール棟1階のロビーにて---
神渡: 司法試験の刑法過去問の検討すっごくためになったと思う。
阪奈: そうね。
やっばり、先生に聞きに行って正解だったわね。
もしあのまま3人だけで過去問の検討を続けていたら流相がぶちこわしだったわね。
彼、学説はよく知っているんだけど、どうもね・・・
流相: ほほぉ~。
僕の文句ですか・・・、阪奈女史!
阪奈: ・・・(そっと後ろを振り返る)
あら?いたの流相?
今、女子会の真っ最中なの。邪魔しないでくれる?
流相: そうはいかないんだよ!
僕の悩みを聞いてくれる?
阪奈: 嫌!(即答)
流相: そんな即答しなくても・・・
神渡: (小声で)いいじゃないの、阪奈さん。
いつも流相君にはお世話になっているんだから。
阪奈: (大声で)世話になんかなってないわよ。
ゼミをかき乱されてるだけだわ!
流相: ひどっ!
僕だって一生懸命に頑張っているんだよ。
でも、学説を勉強すればするほど、過去問を上手く解けない・・・
なんで?
神渡: それは私も少し感じるの。
流相: えっ?神渡さんも?
僕だけじゃないんだ。良かった。
阪奈: (はぁ・・・)
あんたねぇ、安心してる場合じゃないでしょ?
それは深刻な問題よ!
流相: だろ?
だから僕も深刻に悩んでいるんだよ。
司法試験の勉強ってどうすれば良いんだろうって。
阪奈: それは人それぞれだろうけど・・・
流相: それを言っちゃうとおしまいだろ?
”人それぞれ”って言ってもさぁ、合格するためには、合格に必要な最低限の方法論っているものがあるはずなんだよ。
阪奈: それはそうだと思うけど・・・
流相: 僕にはその方法論がまったく分からないんだ。
まさに五里霧中の感じで困っているんだ。
どう勉強すれば合格するんだろう?
神渡: そうよね。
それは最近私もよく思うわ。
阪奈: それはたしかにあるわねぇ・・・
でも私たちで話し合ってもらちがあかないから、ここは司法試験に合格した実務家先生の話を聞く必要があるわね。
上場先生の研究室にお邪魔しましょうよ?
流相: おっ、いいね。
上場先生は元裁判官だったからきっと僕たちの疑問を解決に導いてくれるに違いない!
早速、研究室へ突撃しよう!
---次回へ続く---