ーーー国際私法の集中講義終了後の教室にてーーー
流相: 神渡さん、国際私法の過去問の検討会をしようよ!
神渡: 良いですね。
じゃ、阪奈さんにも声をかけます。
流相: いや、それはやめてほしい…
神渡: 何か言いましたか?
流相: い、いや、阪奈は忙しいんじゃないかなぁ?
神渡: 阪奈さん、国際私法の過去問の検討会しません?
阪奈: ん~、どうしよっかなぁ…
神渡: 流相君も一緒なんだけど。
阪奈: え?
他には?
神渡: 分からないわ。
阪奈: (2人きりではまずいわね…)
わかったわ、私も参加する。
流相: あちゃ~。
阪奈: またまたよろしく、流相!
さて、では錆新先生にリーダーをお願いしましょう。
ーーーコンコンコンーーー
錆新: はい、どうぞ。
阪奈: 錆新先生、私たち国際私法の過去問検討会を作ったのですが、錆新先生の下で検討会をしてもよろしいでしょうか?
ぜひとも、先生に見てもらいたいのです。
錆新: 勉強熱心ね。
もちろん、良いわよ。
日程は可能な限り調整するわ。
阪奈: ありがとうございます。
神渡: ありがとうございます。
お願いします。
流相: お願いします。
平成27年の過去問から検討したいと思いますが、よろしいでしょうか?
錆新: 何でも良いわよ!
なんなら今から検討会をしても良いけど?
阪奈: え?本当ですか?
お願いします。
神渡: ありがとうございます。
流相: え?
(小声で)まだ準備が…
阪奈: 何か言った?
すぐ検討会始めるわよ。
問題は持っているわよね?流相?
流相: え~と、持ってない…
阪奈: やる気ないわねぇ。
神渡: 私は持ってるわ。
流相: 神渡さんと一緒に問題を見るよ。
神渡さん、ごめんだけど、見せてくれる?
神渡: 良いですよ。
阪奈: あ~、ダメダメ。
私が持ってる問題を流相に貸す!
私が、神渡さんと一緒に問題を見るから。
流相: …
あぁ、分かった(この、どこまで僕の邪魔をすれば気が済むんだよ!)。
阪奈: 平成27年の〔第1問〕から検討しましょう。
夫婦財産制についての問題であることに争いはないわね。
形式としては、〔設問〕が3つあるわね。
で、〔設問〕1には、(1)(2)(3)がある。
〔設問〕3には、(1)(2)があると。
神渡: 問題が多いです…
流相: まずは、〔設問〕1からだね。
前提として、夫婦財産契約はないと。
神渡: あと、(1)A建物、(2)B土地、(3)C土地を取得した時点でのXYの国籍と財産所在地が違います。
具体的には、
(1)A建物は、甲国に所在する不動産で、XYが甲国籍を有している時点で取得しています。
(2)B土地は、日本に所在する不動産で、XYが甲国籍を有している時点で取得しています。
(3)C土地は、日本に所在する不動産で、XYが日本国籍を取得した後に取得しています。
---次回へ続く---