最近問題となった「表現の不自由展」を、憲法上はどう解決するのか、をこれまでの知識や思考方法を駆使して考えていきましょう。
この事案を参考にしてもう少し事案を単純化して検討していきましょうか。
ここでは、次の事例を設定したいと思います。
甲が、慰安婦を表現した少女像や、昭和天皇を含む肖像群が燃える映像作品などをA公民館で展示しようとしたところ、A市が公民館の利用を認めなかった。
この事案について憲法上の分析を加えていきましょうか。
まずはどうスタートしますか?
復習になりますが、憲法上の思考枠組みをどう考えていましたか?
いくつかありましたが…
他に「権利論」とか「三段階審査論」とかも。
どういった思考枠組みでしたか?
1 利益侵害論
2 保護範囲論
3 正当化論(審査基準論)
です。
一応確認ですが、憲法論にするためには何が必要でしたか、流相さん
では、権利とは?
ですから、まず、論理的に、甲にどういった利益(不利益)があるのかの検討が必要になりますね。
で、その利益の侵害がある場合に、その利益が法的に保護されていれば、その利益侵害は権利侵害となるわけですが、憲法論にするためには、単なる権利ではだめですよね?
どういう権利でないとだめですか?
ですから、「利益侵害論」の後にその利益(権利)が憲法上保護されているのかという「保護範囲論」を検討するのですね。
さて、そこまでの復習を踏まえて、事案の検討に入っていきましょうか。
上の事案では、誰のどういった利益が侵害されているのでしょうか?
なるほど。
---次話へ続く---